ホテルランドリーが経営を左右する理由①

ホテルのお部屋。清潔なタオルやベッドカバーに迎えられて、幸せなひとときを過ごす。
上質な体験。
ホテルを拠点に、いろいろな場所を訪れ、美しい景色や美味しい食事を堪能。その土地の人柄に触れて、心が和むひととき。
あっという間にチェックアウト。「もう一泊したい!」なんていう話になりますよね。
本コラムでは、ホテルのお洗濯事情を通じて、ランドリー設備の進化とその裏側についてご紹介します。
旅の新たなこだわりポイントになるかもしれません。
洗濯したいけどできない問題
ところで、ホテルの平均滞在日数ってどれくらいなのでしょう?
日本人は平均1泊、インバウンド観光客は平均3泊とのこと。
海外から夫婦や家族で旅行される場合、一か所に3泊程度することが多いようです。
数人分の洗濯物が数日間たまっていたら、普通は洗濯したくなりますよね?
次の観光地に移動する前の晩、あるいはチェックアウト当日に、数日分の洗濯物をまとめてきれいにしたいと思うのは自然な流れです。
でも……実は、思うように洗濯できないんです。
なぜかって?
ホテル内のコインランドリーが「渋滞」しているから。いくら待っても順番が回ってこないのです!
一般的なホテルのランドリー事情

一般的なホテルのコインランドリーといえば、家電量販店で見かけるような小型の洗濯機と、その上に乾燥機が載ったタイプ。しかもこの乾燥機、Yシャツ3〜4枚でも乾くまでに60分以上かかります。
ランドリールームに設置されているのは、たいてい2〜3台ほど。そんな状態で数人×数日分の洗濯物を洗って乾かそうとすれば、前日から徹夜覚悟で乾燥機とにらめっこ……なんてことに。
すみません、少し大げさに言ってしまいました。でも、ほぼそんな感じなんです。
洗濯が原因でクレーム?

ランドリー室に大量の乾燥機があれば何とかなるかもしれませんが、現実にはそうはいかず、結局あきらめざるを得ない……という方が多いのが現状です。
そして、ホテルにはこんなクレームが寄せられることに。
「洗濯できないんだけど、どうしてくれるの?」
「乾燥機が全然乾かない。湿ったままスーツケースに入れるしかなかった」
「近くのコインランドリー、教えてください!」
――そう、口コミ評価が下がる原因が「洗濯」だったりするのです。
なんとかできないものでしょうか?
業務用洗濯機で悩みを解消!

実は、スピーディーに洗濯・乾燥ができる商品、あるんです。
洗濯30分、乾燥も30分! しかも業務用で大容量!!
お客様は大喜び。ホテルもクレームが減って大助かり。
さらにホテルのランドリー利用が活発になれば、収益にも貢献できそうですね。
写真でご紹介している製品は「SHWG」。
当社で一番人気のあるモデルです。
二段式で、下段が洗濯機。大きめのランドリーバッグ1袋分の洗濯物なら一回で洗える大容量で、2人×3日分程度の洗濯なら問題なくご利用いただけます。しかも洗濯時間はわずか30分。とってもスピーディー!
そして上段が乾燥機。洗った洗濯物をそのまま上に移して、約30分で乾燥完了。とてもパワフルで、ランドリールームの混雑や順番待ちも解消され、利用者にもご好評いただいています。
二段式の強みとは

でも、「洗濯から乾燥まで入れ替えなしでできた方がラクじゃないですか?」という声も、よく耳にします。
はい、確かにその通りです。
しかしこの製品が人気の理由は、洗濯機と乾燥機が独立して稼働することにあります。
たとえば、街中のコインランドリーを思い浮かべてみてください。
大型の洗濯乾燥機が多数設置されていて、大量の洗濯物や毛布・布団などを1時間ほどで一気に仕上げることができます。すぐに利用できて、1時間後に取りに戻るだけ――とても便利です。
ただし、ホテルの場合は少し事情が違います。
ランドリールームのスペースが限られているうえ、利用時間が夜間やチェックアウト前など特定の時間帯に集中するため、洗濯機と乾燥機を分けて使える方が効率的なのです。
たとえば洗濯乾燥機が3台だけの部屋では、同時に使えるのは最大3人。
一方SHWGを3セット設置すれば、洗濯機と乾燥機それぞれで最大6人が同時に作業できます。同じスペースに2セット分を設置できる、上下2段構造の当社製品だからこそ実現できる効率性です。これが人気の理由のひとつです。
ちなみにこの製品、ホテルだけでなく、学生寮・社員寮・老人ホームなどでも大活躍しています。
設計段階からの導入も増加中
最近では、新しいホテルやリニューアルの設計段階からお声がけいただくことも増えてきました。
設計事務所の方々と一緒に設備計画を進めることで、宿泊者にとって快適なランドリー体験を提供できる環境が整います。
たとえば――
客室のテレビモニターで洗濯機の空き状況が確認できる
キャッシュレス決済対応で小銭いらず
洗剤・柔軟剤は自動投入で、別途購入する必要なし
街中のコインランドリーとほぼ同等の快適機能に、きっと驚かれると思います。
次回のホテル滞在で注目してみて下さい
次回ホテルに泊まられた際は、ぜひランドリールームをのぞいてみてください。昔ながらの設備なのか、最新の便利機能が整っているのか……。
ホテル選びの新たなこだわりポイントが、一つ増えるかもしれません。
このコラムを書いた人
池部慎二
株式会社ダイワコーポレーション
執行役員
- 業務用ランドリー業界最大手のAlliance Laundry Systems社(米国)にて日本・韓国市場を統括
- 2015年:ダイワコーポレーションの経営企画部長に就任。コインランドリー事業説明会講師・拠点拡大・中長期計画策定・社員教育に注力
- 2018年:施設向け事業の全国展開を推進、複数の大手企業との業務提携を実現
- 2023年:執行役員として全社の事業推進及びマーケティングを統括
- TV等メディア出演実績あり