コインランドリー経営に必要な“お客様目線”の視点
 
            コインランドリーは今や生活に欠かせない存在となりました。誰もが気軽に利用できる便利な場所ですが、運営する側にとっては、常にお客様の視点で清潔さや快適さを維持し続ける努力が求められます。
今回は、私自身が利用者として感じた気づきを通して、店舗運営における「お客様目線の大切さ」について考えてみたいと思います。
利用者として感じた違和感
先日、近所のコインランドリーに行ってみました。初めて訪れるお店で、オープンしてからまだ数年。おしゃれな内装で、利用客もその雰囲気に合ったスタイリッシュな方々がちらほら見られました。
乾燥が終わるまでの数十分間、店内のイスに腰掛けて店内を観察しているうちに、どうしても「コインランドリー屋さんの目線」になってしまいます。
「あれはこうした方がいいな」「ここはもう少し工夫できるのでは」など、気になる点がいくつも目につきました。思わず経営者に伝えたくなる――迷惑な客ですよね(笑)。
お客様の声をどう受け止めるか
皆さんはコインランドリーを利用していて、不便さや改善してほしい点を伝えたいと思ったことはありませんか?
機械の故障はコールセンターとお話ができますので洗濯に関する直接の不具合は回避できるようになっています。
それ以外のちょっとした事や気が付いた点についてはどうでしょう?コインランドリーは無人運営の店舗が多いため、意見を伝えようと思っても伝える機会はなかなかありません。
一部店舗にはご意見箱がありますが、そのご意見箱にわざわざ投稿する方はごく一部です。
それでも「お客様の声」は何より貴重です。お叱りもお褒めの言葉も、店舗が成長し続けるための原動力になります。
お客様の声を励みとして店舗が成長し続けて行く姿はお客様からも信頼が集まります。
しかし実際には、その声を集めるのは容易ではありません。
だからこそ、言いにくいことも含めて、店舗オーナー様に進言するのは私たち営業員の役目と自負しています。
当社の店舗オーナー様が運営されているコインランドリー店舗の近くを営業担当者が通る際にはお客様の店舗に立ち寄ります。そして、気が付いた点があれば店舗オーナー様に率直にお伝えしています。
私たち営業員が気を付けている事。それは「お客様目線になる」という事です。コインランドリー店舗を利用されるお客様の立場になって店舗オーナー様と向き合います。
手をかけなくなった店舗が失うもの
店舗運営を見ていると、オープン当初は丁寧に管理されていたのに、数年後には手入れが行き届かなくなるケースを多く見かけます。
 
                「売上が安定してきたから」「人件費を抑えたいから」といった理由で清掃やメンテナンスを後回しにしてしまうのです。
しかし、それはお客様から見れば「お店に対する情熱が薄れた」ように映ります。
コインランドリーは“清潔さ”こそがサービスの本質。どんなに内装がスタイリッシュでも、掃除が行き届かない店舗にお客様は戻ってきません。
営業員から見たチェックポイント
オープンした当初は「しっかり」運営されていたが、ここ数年、手をかけていない… そういう店舗が沢山あります。
当社店舗オーナー様にはそうなって欲しくありません。
手を掛けなくなり始めたオーナー様店舗を見つけると言わずにいられません。
私たち営業員は、訪問時に店舗オーナー様へ次のような点を確認しています。
店内清掃は毎日行われているか
ごみや飲みかけの放置がないか
照明や看板の汚れ・劣化がないか
機器メンテナンスや排気ダクト清掃が定期的に行われているか
競合店舗の状態を把握しているか
お客様の声を運営に反映しているか
こうした基本の積み重ねが、店舗の品質を維持しお客様からの信頼につながります。
「お客様目線」で考える店舗運営
自分がこのお店のお客様だったら、何を期待するか?
お店に改善してほしい点はないか?
この問いを常に持ち続けることが、店舗運営の質を高める最良の方法です。
自分が苦労して開業して育ててきたコインランドリー店舗、お客様から褒められたら嬉しいですよね。もっと頑張ろう、利用者にもっと喜んでもらおうって元気が出ますよね。
前向きで意欲的に店舗運営に取り組んでいこう!って思いますよね。
お客様はオーナー様が考えるよりよく見ています。掃除が行き届いてこまめな手入れや小さな改善が積み重なることで、「このお店は気持ちがいい」と感じてもらえるのです。
📌まとめ
 
                コインランドリーは、清潔で快適な空間を提供する場所であると同時に、オーナー様の姿勢が表れる場所でもあります。
私たちは、店舗オーナー様が日々の清掃や管理を怠らず、お客様の声に真摯に耳を傾けられるよう、営業員として全力でサポートしていきます。
お客様からの文句よりも「ありがとう」の声が圧倒的に多く届く店舗が一つでも増えるよう、これからも一緒に取り組んでまいりましょう。
このコラムを書いた人
池部慎二
株式会社ダイワコーポレーション 
執行役員
                - 業務用ランドリー業界最大手のAlliance Laundry Systems社(米国)にて日本・韓国市場を統括
- 2015年:ダイワコーポレーションの経営企画部長に就任。コインランドリー事業説明会講師・拠点拡大・中長期計画策定・社員教育に注力
- 2018年:施設向け事業の全国展開を推進、複数の大手企業との業務提携を実現
- 2023年:執行役員として全社の事業推進及びマーケティングを統括
- TV等メディア出演実績あり
